さくほの場合は。

ほどよい田舎佐久穂町。移住のリアル。

人の営みの尊さ

「人間が住んでるんだから、草を綺麗にしなさい」と言われた我が家yamani 。

f:id:sakuhodekurasu:20190520181804j:image

田舎の人は、なぜこんなにも草を忌み嫌うのか。庭の雑草の花が咲いたのを見て「綺麗だなあ」って思うのよ、と話すと苦笑する集落の人。こういうとき、埋められない価値観の違いを感じます。

ふと見ると、橋にびっしりと生えていたツタが綺麗になっています。雑草も皆無。先週、集落の人が腰が痛いと言いながら作業してくれてたっけ。なるほど美しい。

f:id:sakuhodekurasu:20190519203609j:image

農機具屋をしているお向かいさんが、草刈機を貸し出してくれるというので、重い腰を上げて借りに行きました。軽い&静かでサクサク進む。予想外に楽しいかも。

f:id:sakuhodekurasu:20190519203643j:image

ざっと刈って、あとはひたすら根っこを取り除く。途中、土の中から入れ歯がでてきで心底萎える。怖いのは、虫よりも、機械よりも、人間だよと思いながら。

草刈機を農機具屋に返しに行くと、前日の集落の会議で一緒だったおじちゃんも草刈機の修理に現れる。集落のきまりを話し合うこの会議には、私はオブザーバーという形で参加しています。いままで発言できる空気も、発言を促されたこともなかったのですが、先日の会議の席で、このおじちゃんが「炭谷さんはなんかいいアイデアないか」と私の意見を聞いてくれたのです。意見が通るかどうかよりも、その声がけにびっくり&一歩前進した気がして本当に嬉しかった。私が思いつくままに発言したことから、盛り上がって砕けた雰囲気になった(気がする)様子もまた嬉し。集落のことについて、笑いながら話せるってなんて理想的なんだろうか。そんな様子を、壁に彫ってある明治時代からの歴代区長の名前が見守る。集落の一員として根を張るには長い時間がかかりますが、こうした喜びの積み重ねだなあとも思うのです。

f:id:sakuhodekurasu:20190521051936j:image

この時期水が張られた田んぼの美しさや、かつて植林したであろう山の人工的な色合いが目に入ります。毎日水の管理をする、マメに草を刈る、コツコツ木を植える、そんな地道な人の営みが、この景色を作ってきたのかと、その尊さを感じずにはいられません。

というわけでまずは、できることから。

小満祭の頃

霜の心配がなくなる

小満祭とはお隣の佐久市臼田で開かれる二十四節気小満のお祭り。成長のエネルギーが満ち、草木枝葉繁る頃といわれます。

霜が降りない=苗が植えられるということらしく、小満祭だった5/19の朝「おーい、いるかい」とおっちゃんに声をかけられ、急遽畑作業となりました。

連休最終日に買った苗は、大きめのビニールポットに移し替え、ビニールハウスで大切に管理してくれていました。几帳面なおっちゃん、テプラでひとつひとつ植物の名前のタグを作ってくれる、本当にマメな人です。

f:id:sakuhodekurasu:20190520071334j:image

レタスやブロッコリーの霜除けのラブシートも外し、苗が風で飛ばないように添え木をしていきます。

おっちゃんと庭で作業をしていると、通りかかったおっちゃん2も加わり、せっせと庭にハーブ畑をつくる。超几帳面なふたり。

f:id:sakuhodekurasu:20190519200055j:image

大きな石がやまほどでてくる

f:id:sakuhodekurasu:20190520070226j:image

鉄平石を組み合わせて壁を作り、土が飛ばないよう工夫してくれる。半日陰が好ましい青じそや、料理にさっと使えるハーブ類を植える。

f:id:sakuhodekurasu:20190520065452j:image

きっちり。農作業は性格がでますね。

f:id:sakuhodekurasu:20190519200307j:image

ちなみに、先週のyamani はこちら

f:id:sakuhodekurasu:20190520071319j:image

ほぼ1日作業となったおっちゃん。貴重な時間を使わせてしまったことが申し訳なくてお礼を言うと、「茜さんがいなかったら1人でやろうと思ってたんだから、それに比べたら楽だったよ」と。私の畑なのに、本当に頭が下がります。おっちゃんは、畑の道具を「教材」と呼びます。いつも甘えてばかりですが、外から来た人に、私も惜しみなく自分の時間や技術を与えられるようになることが、この地域への「還元」なのかなと思っています。

つくりあげる感じ

汗ばむくらいだった本日の佐久穂町

晴天率が高い&標高が高い=日焼けが半端じゃない。冬の寒さに次ぐ、佐久穂町で好きになれないことNo.2。

強い日差しの下、通勤や空き家調査でたくさん歩き、八千穂駅前のたかとんぼで休息。

f:id:sakuhodekurasu:20190515223843j:image

夜は、大日向小学校での地区の運動会の実行委員会。

f:id:sakuhodekurasu:20190515210942j:image

大日向小のなかにある大日向食堂にて。

大日向各区の区長さんや、学校関係者など、月1回のペースで6/1の運動会に向けた話し合いをもっています。

区長、協力隊、議員、校長、教員、農家、それぞれ立場は違えど、定期的に集まることで、顔の見える関係がつくられてきたので、なんだか居心地がいい。

f:id:sakuhodekurasu:20190515211933j:image

途中、運動会の競技を決めるため、実際に競技の練習をして盛り上がりました。手を繋いで、動いて、笑って。少し体を動かすだけでもより距離が縮まった、、、気がする(吊り橋効果?)。

「運動会だけど走らない」

「この競技なら動かないからいいね」 「救急車に待っててもらうか」なんて冗談も。

この会合に参加して思うことは、本音や冗談を言える関係性をつくるまで、時間を重ねていくこと自体に価値があるということ。イベントをつくりあげるプロセスのなかで、メンバーそれぞれが地域に関わるモチベーションを見つけられることが、(隠された)イベントの目的なのだろうと。

帰りがけ、新しい人たちが入ってくることは、色んな動きが出て「前例がない」ことの連続だね、という話をしました。外からの新しい動きを、真面目に受け入れてくれようとしてくれる集落の人と、一緒に地域をつくらせていただいてるのだと、改めて自覚。終わって外に出ると、とっぷりと日が暮れ、闇夜にカエルの声が響いていました。

 

共生

f:id:sakuhodekurasu:20190511181944j:image

とても暖かかった一日。

よもぎ団子&散策のお礼に集落のお宅に向かう。軒先にいたおじいちゃんが

ハクビシンとったよ」というので、指をさす方を見に行くと、罠にかかってケージの中で出せ出せ攻撃をするハクビシン。そこにおばあちゃんが出てくる。「あのままにしておけば死んじまうから死んだら山に捨てて鹿の餌だよ」と。

実は家にネズミが出ていることが判明し、朝からげんなりしたばかり。オーナーがネズミ捕りのペタペタを持ってきてくれたのだが、それにかかったネズミをみるのかと思うと朝が怖すぎる。ハチも軒先に巣作り場所を探していて、そわそわ。暖かくなって、動き出すのは人間だけではないことを知る。田舎暮らしもいいことばかりではない。

ふと見上げると綺麗な環水平アーク

f:id:sakuhodekurasu:20190511181956j:image

茜ちゃんがきてくれたからこんないいもんがみれたんだよという言葉に、諸々ふっきれる。

戻ってくると、HATAKEのおっちゃんが畑で動いている。いつも事前通告なしで作業するのは、お互いが楽だから。「おれのペースでやれるときやるから気にすんな」おっちゃんの懸念だった、植える方向が違う!と去年言われ続けたミントを植え替える。

f:id:sakuhodekurasu:20190511142426j:image

f:id:sakuhodekurasu:20190511161429j:image

ラクターをかけると前に畑を使っていた人の捨てたゴミがたくさん出てくる。少なくても2年以上前のものなはずだか、薬のゴミ、ペットボトルキャップ、からしや醤油の袋などが出てきて物悲しくなる。プラスティックは、土に帰らないことを痛感。

f:id:sakuhodekurasu:20190511142555j:image

f:id:sakuhodekurasu:20190511161435j:image

学生の時、ジャケ買いした本のカバーを見たときの物悲しさが思い出された。

打ち合わせの帰り際、水の張られた田んぼに沈む夕日が反射して、とても美しい。そんな土曜日。

f:id:sakuhodekurasu:20190511182006j:image

 

 

GW備忘録_その4(完結編)

5月3日

GW唯一何も予定のない日。翌日の出店に向けてお金を崩すべく町内を回る。ATMで小銭が作れず、無駄に細々と買い物する。

5月4日

花ももまつりにて出店

チラシを頼まれて作った関係で、レティファームのハーブティーも販売。右隣にトミカ販売する5歳児、左には仲良しの須田農園の清さんがいて心が和む。

f:id:sakuhodekurasu:20190508220028j:image

この町のマダムたちは、ハーブティーには興味ないかと思いきや、興味津々で話を聞いてくれた。昼には完売。

5月5日

朝、HATAKEのおっちゃんと苗をいくつ買うか相談。「D2の68円の苗で十分」とのこと。

f:id:sakuhodekurasu:20190508221118j:image

10時から大日向の奥で峠の茶屋をする。詳細はFacebook をご覧あれ。

なぜかいつも子供達の子分にされがちな私。小学生に「おい登ってこいよー」と言われて、崖を必死に登る。高校時代クライミングをやっていてよかった、と初めて思った瞬間。

 

5月6日

おっちゃんと相談した苗を「はじめてのおつかい」ばりに緊張してD2に行く。去年は高いものを買って呆れられたので慎重に。5歳児に「茜さん、1個足りない」といわれ謝る29歳。

f:id:sakuhodekurasu:20190508221417j:image

ミッションコンプリート。

「お母さんの誕生日ケーキ選んでよ〜」と言って連れてきたにもかかわらず、付き合ってくれる健気さに感謝。

夕方、佐久市の協力隊だった石田くんのイベントに参加。各地域の協力隊も参加していていたが、労働環境と行政への不満&不信が根深い。佐久穂町の協力隊でよかった!と心から思う(他地域のみんな、ごめんなさい)。

帰ってきて、水曜日のネコ🍺をゴクリ。沁みた。

以上、GWの備忘録でした。

いかがでしたか?

こうしてみると、我々協力隊が日々行うことが「仕事」ではなく「活動」といわれる所以がわかるような気がします。佐久穂町にいる限り24時間協力隊員ですし、何も予定のない休みの日も協力隊員として過ごしています。定住、定着をするための協力隊なのですから、佐久穂町にいること自体「活動」なのです。繰り返しますが、協力隊員というのは仕事ではないのです。

我々の活動が「仕事」と呼ばれないのは、労働という言葉ほど、成果を求められるものでも、一定の苦痛を伴うものでもなく、また、その成果は測れるものではないからだと思っています。ハーブティーを売ったり、畑を耕したり、団子を作ったり、峠のお茶番したり、何がしたいのか、一見わかりにくい私の活動。私が佐久穂町を好きになるため、あるいは私が佐久穂町にいる理由をつくるため、ただそれだけの「活動」の繰り返しが、地域おこしになっている。はず。

 

GW備忘録_その3(よもぎ団子編)

2日午後

信大生とばあちゃんと大日向小学校家族でよもぎ団子づくり。

突然なお誘いにもかかわらず、大日向小の家族が2家族も参加。集落のおばあさま4人、学生と先生、雅子さん、私、おばあさまの孫たちなど総勢18名。

ばあちゃん、朝から畑でひとりでよもぎを摘んでそれで足りる量ありましたが、みんなでワイワイ摘みたいとお願いして田んぼの土手へ。

f:id:sakuhodekurasu:20190508233350j:image

その間に、公民館でお餅(上新粉)を蒸して、よもぎを処理し、茹でる。あつあつの餅を、叩いたよもぎと合わせる。

f:id:sakuhodekurasu:20190509184649j:plain

photo byさくほのまさこさん

 

前もって長いこと煮詰めてくれていた小豆。丸めて、餅をかぶせていきます。

f:id:sakuhodekurasu:20190508232811j:image

f:id:sakuhodekurasu:20190509184449j:plain

photo by さくほのまさこさん

f:id:sakuhodekurasu:20190509185339j:plain

photo by さくほのまさこさん



f:id:sakuhodekurasu:20190509001154j:image

みんなでお茶をのんで、冬菜や野沢菜漬けをつまみながらおしゃべり。

話の中で、おばあさまたちから小銭稼ぎがしたいという話が出てきました。その線で有名なのは、徳島の葉っぱビジネスがありますね。沢山儲けるのではなく、体力的にも負担の大きくない程度で、楽しんでできる小商いの手伝いを学生がするなんてのもいいねえ、なんて妄想話も。

ここで暮らしていて違和感を感じるのは、タダっていいこと、人を集めたいなら無料にしよう、という文化。経済的に苦しい時代を生きてきたから、そういう発想なのは理解します。しかし、自らがお金を出さないで、自分のところにお金が回ってこないと思うのです。だから、こういう会でもきちんとお金をいただいて、汗をかいた人にお金を返していきたい。地味なところからですが意識改革。

今回、学生からのお願いでよもぎ団子を教えてもらうという体にしましたが、結局は事前準備をしたり、お金のことを指示したり、おばあちゃんとの連絡役をしたり、という実質の企画者は私に。後輩はかわいいですし、たくさん学んでほしいなあと思うから、返ってその親心が厄介だったり。能動的に動くことを待たなければいけないという教育者的な気持ちと、放っておけない親心、そこの線引きができずに苦しむ(自業自得)。

2日の夜,そんなごちゃごちゃした悩みを、大学時代の先生に聞いてもらいスッキリ。佐久穂で働くゼミの後輩と先生の3人で、先生が佐久穂に蒔いた種(私と後輩)がどうなるのか日本酒を飲みながら憂う。

f:id:sakuhodekurasu:20190509185021j:plain

photo by さくほのまさこさん

学生のプロジェクトのHPはこちら

→まちづくりプロジェクトハウス秋葉屋https://akibaya.org/

GW備忘録_その2(大日向散策編)

5月1日

f:id:sakuhodekurasu:20190509183902j:plain

photo by さくほのまさこさん

大日向を拠点に活動する信大の3年生3人。大日向にどんな人が住んで、何を思っているのか。それを知った上で、この地域で彼らがどんな活動ビジョンをもつのか。新たに信大のコーディネーターとなった(ドーナツ屋もしている)塚原さんから、ビジョンのつくり方を教わりながら、大日向に入る地ならし役が私なのかなと勝手にポジショニング。

11月に「大日向の歌」を茂来館で歌ったことをきっかけに、その歌詞に出てくる場所を地域の人と歩けたらいいな〜というリクエストからアポ取り。歌に『茨口新三郎』という歌詞(地名)があるのですが、かなりの山奥&峠道。昔役場の林務係にいた課長が付き合ってくれると嬉しい声がけ。大日向1区に住む元役場OBにもアテンドをお願いしましたが、結局雨で中止に。そのOBからは「タラの芽」をいただき、夜は山菜の天ぷらに決まり。

1日の午後は体操教室をやるよと聞いていたので、山を諦めた学生と体操教室へ参加。この辺のおばば(原文まま)が2週に一回のペースで、お散歩からのお茶のみをしています。

f:id:sakuhodekurasu:20190509182045j:plain

photo by さくほのまさこさん

長野県民は歌えるらしい信濃の国にはじまり、大日向の歌→旧佐久東小校歌→歌いながら踊り出し、しらかばちゃん体操with北国の春→ストレッチ→最後はやっぱりラジオ体操をする。お腹がよじれるほど笑い、全身温まる。笑うことが健康につながることを実感する。

夜はみんなで天ぷら&そば&鹿肉でご飯。めっぽうお酒に強い20歳と黒澤酒造の美醸会のお酒をくみ交わす。

f:id:sakuhodekurasu:20190508155524j:image

5/2は晴れた。

7:30に朝の散歩をスタート。プルーンの花を見ながら、ふきのとうがふきになる過程をみたり、笹舟作ったり、ぺんぺん草で遊びながら、童心にかえる。

f:id:sakuhodekurasu:20190508155458j:image

朝ごはんのふきみそのおにぎりを食べたら、集落のおじいちゃん(82歳)のアテンドで、大日向の歌に出てくる場所を散策。

まずは『北には高き妙義山』の妙義神社

個人所有だったものが町に寄付され、大日向5区と4区で管理してきた神社。例年だと八十八夜の5月2日、まさにこの日、この場所で、みんなでお酒を飲んでお祭りをして、この翌日から畑作業に入ったのだとか。

f:id:sakuhodekurasu:20190509182435j:plain

photo by さくほのまさこさん


近年は管理が大変になり、数年前から神様は麓にある龍興寺に神様を奉納して、祭りも廃止に。そんな日になんとも奇遇な妙義神社参り。

この神社の階段の辛さはさくほのまさこさん(https://note.mu/sakuhonomasako)のブログでチェックしてください。

お次は『響く木魚に誘われて鳳来山を訪いて見ん』の龍興寺

この辺り一帯を檀家にもつお寺。控えめですが歴史は古く由緒あるお寺。満州移民の関係の死者を弔う供養塔があります。

f:id:sakuhodekurasu:20190509183007j:plain

photo by さくほのまさこさん

続いて『西のそりより下川原』の西のそり

「そり」という地名は、近隣にもいくつかあると聞きますが、昔は難所だったものすごい崖。いまはバイパスができたので封鎖されていますが、この横を車が通っていたのだから驚きです。

f:id:sakuhodekurasu:20190509183231j:plain

photo by さくほのまさこさん

↓ステキな崖の断面にうっとり

f:id:sakuhodekurasu:20190509183309j:plain

photo by さくほのまさこさん

最後は『大崖の城址の月を忍ぶにも』の大崖城

後ろは山、他の三面が崖という自然の地形を利用した山城は、木曽義仲がいっとき匿われていた伝説のあるお城。大日向と群馬を結ぶ武州街道は、昔は奈良、京都方面への重要な道だったとか。今は城跡はなく、プルーン畑となっています。

3時間歩き倒して午前は終了。このおじいちゃん、昔野球で足を痛めたことを奥様から聞いていたので、無理しないで車で行こうと声かけたけれど、やはり頑張ってくれてしまい、心苦しさMAX。ごめん、でも楽しかった。